[DATA Saber]Mukadeのブログ

Tableauについていろいろと書きます。

3次メッシュ(1km2)データ活用のTips「空間ファイルの結合」

今回は、3次メッシュ(1km2)データ活用のTipsとして、空間ファイルの結合についてご紹介いたします。

 

3次メッシュ(1km2)のデータ活用について

まず、3次メッシュ(1km2)のデータ活用することで何が出来るのかは以下に詳しく記載されていますのでご覧ください。

 

www.tableau.com

 

具体的な活用例について

北海道の2015年国勢調査のデータをもちいて具体的な活用例をご紹介します。

 

まず、地理的役割(群)による市区町村表示から。

f:id:mukadeshu:20201123105250p:plain

Before(市区町村表示)

続いて、メッシュ表示。

f:id:mukadeshu:20201123105937p:plain

After(メッシュ表示)

さらに、ヒートマップ表示。

つまり、地理的役割をより細かな粒度で分析が出来るようになるわけです!!

 

空間ファイルの結合の目的

簡単に言うと、データソースの空間ファイルを結合しておくことにより、ファイル管理を簡便にしつつ、パフォーマンス向上を図るといった目的で実施する内容です。

 

まず、空間ファイルは、政府統計の総合窓口サイトe-Stat(https://www.e-stat.go.jp/)などから入手するのですが、ダウンロード提供単位は1次メッシュ(約80km2)のため、大きな北海道であれば40セット、小さな山梨県でも3セットをユニオンする必要があります。

 

セットと書きましたが、空間ファイル(通称;shpファイル)は、拡張子shp,dbf,shx,prjの最低4つのファイルで1セットとなっているため、ファイル数換算ですと、北海道は160ファイル、山梨県は12ファイルに及ぶこととなります。

 

空間ファイル構成の補足

空間ファイルとして最低限必要な構成は.shp,dbf,shxの3つです。しかしながら、prjは座標系情報ファイルであり、構成にあると座標系指定が不要になります。

 

空間ファイルの結合手順

では、実際に空間ファイルの結合の手中について、北海道のケースをもちいて、40セット(160ファイル)を1セット(4ファイル)にする方法でご紹介します。

 

(事前準備)結合に使用するツールQGISのインストール

Tableauとは他に、無料で使えるQGIS(キュージーアイエス)という地図情報システムのソフトウェアを使用するのですが、とても簡単に利用できるのでご安心ください。

 

ja.wikipedia.org

 

以下からご自身のPC(OS)にあったソフトウェアをダウンロードします。

なお、長期リリース(最も安定)の64bit or 32bitを選択することをおすすめします。

 

QGISのダウンロード(https://qgis.org/ja/site/forusers/download.html)より、ソフトウェアをダウンロードしてインストールをします。

 

(補足)QGIS地図表示について

QGISにGoogleMapなどの地図をベース表示するため、QuickMapServicesというプラグインのインストール方法をご説明します。

 

プラグインプラグインの管理とインストール⇒設定

⇒実験的プラグインも表示にチェック⇒全プラグインからQuickMapServicesを検索

⇒インストールを選択すれば完了です。

 

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QuickMapServicesプラグインのインストール

(補足)QuickMapServicesの設定

QuickMapServicesの地図を利用するために地図データを取得してくる設定をします。

基本的に以下の手順を1回実施すれば完了し、これにより、各種地図をベース表示することが可能となります。

Web⇒QuickMapServices⇒Settings

⇒More ServicesのGet contributed packを選択

⇒Last Cersion of contrib pac was downloaded!のOKを選択⇒保存を選択

 

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QuickMapServicesの設定

 

(事前準備)空間ファイルの入手

前出の政府統計の総合窓口サイトe-Stat(https://www.e-stat.go.jp/)から3次メッシュファイルを入手します。

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e-Statデータダウンロード

 

空間ファイルの取り込みと結合準備

ダウンロードしてきたすべての空間ファイルから拡張子がshpのファイルを全てQGISに取り込みます。取り込み方法はファイルをドラッグ&ドロップすれば完了しますので、対象範囲に漏れが無いか、地図上に表示された色塗りされた1次ファイル(約80km2)で確認します。

 

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空間ファイルの取り込み

その後、結合準備として、メニューから以下の順に選択します。

ベクタ⇒データ管理ツール⇒ベクタレイヤのマージ

 

空間ファイルの結合処理

ベクタレイヤのマージウィンドウで以下のとおりに設定・実行をします。

(a)入力レイヤ:全て(40ファイル)を選択

(b)座標参照系:デフォルトCRS:EPSG:4326-WGS

(c)出力レイヤ:保存先を選択

(d)「実行」をクリック

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ベクタレイヤのマージウィンドウ

 

保存先フォルダに結合された空間ファイルが出力されます。

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保存先フォルダ

 

Tableauによる空間ファイル接続

通常とおり、Tableauの接続から結合した1つの空間ファイルを選択することで、北海道全域のデータとして利用することが可能になります。

 

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Tableauによる空間ファイル接続

 

利用イメージ

利用イメージとして市区町村コードを色にして表示させたケースです。

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利用イメージ(市区町村コード:ズームアウト)

ズームアップしてみると3次メッシュ毎で格子状にされていることが分かります。

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利用イメージ(市区町村コード:ズームアップ)

今回のTipsでは空間データの縦結合(UNION)のご紹介しましたが、QGISでは、空間データの横結合(JOIN)も可能です。データソースのベストプラクティスとして活用のご検討をいただければ幸いです。